卒業が見えてきた。
複式学級なので,6年生は「卒業」だが,5年生は「送る会」を計画する。
昨年も高学年担任だったので,2つを同時進行で進めた。
大変だったのは「送る会」の方だった。
5年生のエンジンがなかなかかからなかったのである。
なぜか。
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ゴールにたどり着くために何をすべきかイメージができなかった。
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その結果,ギリギリになっても作業が進んでいかなかった。
「送る会」を成功させるためには何をすれば良いのかという思考ができなかったのだ。
例えば「全校で歌を歌う」なら次のことが必要になる。
① 歌を決める。
② 歌詞を書く。
③ CDを作る。
④ 各学級に歌詞とCDを配布し,練習をお願いする。
⑤ 誰がどの学級に行くか役割分担する。
ところが,子どもたちは①ができたら安心してしまっていたのだ。
子どもたちが動かないのは何をしたら良いかが見えてないからなのだ
このように書いてみせるとハッとしていた。
具体的に行動を書き出させることの大切さを感じた。
そこで今回は,TOSSメモとジャンボホワイトTOSSノートを活用することにした。
まずジャンボホワイトTOSSノートに階段を描いた。
そして,TOSSメモにはやるべきことを1枚1項目で書かせていった。
階段にしたのは「ゴールに近づく」ことを視覚的に感じさせるためである。
先日,1年生の国語の授業を参観したときに,子どもたちに見通しを持たせるためにこんな階段の図が貼られていたのを見た。
これは良いと思い,取り入れてみた。
次に書いたTOSSメモをジャンボホワイトTOSSノートに貼らせていった。
写真のように子どもたちは貼り出していった。
みんなで口々に話ながらどこに貼ればよいか決めていた。
6年生は1つの階に2枚のTOSSメモを貼っていた。
これは類似の項目だということを意味している。
これでゴールにたどり着くまでに何をすれば良いか大まかに分かった。
次回は1枚のTOSSメモをさらに詳しく書かせていく。
ここまでできれば,あとはチェックしながら進めていくだけである。
この作業は次のように表現することもできる。
■自分が意図する一連の活動を実現するために,どのような動きの組み合わせが必要であり,一つ一つの動きに対応した記号を,どのように組み合わせたらいいのか,記号の組み合わせをどのように改善していけば,より意図した活動に近づくのか,といったことを論理的に考えていく力が必要になる。
「小学校段階におけるプログラミング教育の在り方について(議論の取りまとめ)」に出てくる一文である。
TOSSメモとジャンボホワイトTOSSノートを使えば,こうした力を育てられるのではないかという私なりの挑戦である。
島根県 O先生