ジャンボホワイトTOSSノートはとっても便利だ。
TOSSメモを使った授業をするときにも大活躍だ。
「これが大きなTOSSメモだとします。」
この一言で済む。
ジャンボホワイトTOSSメモに見えてくる。
TOSSメモ実践を続けてきて,気になっていたのが「例示」だった。
黒板にTOSSメモの図を書くのだが,その瞬間,やはりテンポは落ちる。
だが,ジャンボホワイトTOSSノートを使えばその問題が解決できる。
今やジャンボホワイトTOSSノートは黒板左に常駐状態である。
ジャンボホワイトTOSSノートにしてから,書き方の質問は明らかに減っている。
教育課程企画特別部会のまとめを読むと,「文や文章の構成を理解」させる指導が重視されていることが分かる。
今回は赤羽雄二氏の『ゼロ秒思考』に書かれている方法をTOSSメモ作文に応用した。いつも日記半ページの子が,なんと400字詰め原稿用紙1枚を書くことができた。
この実践を「TOSSスクールポスター」にもしてみた。
<1>
「作文かぁ。難しいんだよなぁ。」
5年生男子がそうつぶやいた。
総合の時間に「枝打ち体験」を行った。
その感想文を書くことにしていたのだ。
「文章を書くというのは大人でも難しいんだよ。
だから,どうやって文章を書くかという本もいっぱいある。
なんで作文は難しいんだと思う?」
子どもたちは口々に言った。
「何を書こうか考えないといけない。」
「丁寧に書かないといけない。」
全部,そうだよねと頷きながら聞いた。
「作文というのはたくさんのことを同時にやらなといけない。
しかも頭の中で。だから難しいんですよね。」
「作文を書くためにはまず,何をしたか『思い出す』ことが必要ですね。」
ジャンボホワイトTOSSノートに「①思い出す」と書いた。
「その次は?」
今度は「選ぶ」という作業が必要だ。
そして,選んだ素材の「順番を決める」ことも要求される。
そこまでやってやっと「書く」ことができる。
しかし,子どもたちは通常,この作業を一度に行っている。
これはワーキングメモリの少ない子には辛い作業だ。
次期学習指導要領の検討が行われている。
国語においては「文や文章の構成を理解」できる力をつけることが重視されている。
「文や文章の構成を理解」できる力をつけるには,その体験,しかも成功体験を味わわせることが重要だ。
その時に役立つのが「TOSSメモ」である。
<2>
作文を書く過程を次の4つだと仮定する。
─────────────────────
① 思い出す。
② 選ぶ。
③ 順番を決める。
④ 書く。
─────────────────────
TOSSメモが担うのは①〜③である。
ここで『ゼロ秒思考』(赤羽雄二著)の方法を使った。
■A4用紙を横置きにし,1件1ページで,1ページに4~6行,各行20~30字,1ページを1分以内,毎日10ページ書く。したがって,毎日10分だけメモを書く。(前掲書p.60)
赤羽氏のこの方法は『マッキンゼー式ロジカルシンキング』で知っていた。
この方法を活用した日記指導も行ったことがあった。
■TOSSメモとマッキンゼー式ロジカルシンキング【TOSSメモ174】
http://sns.tos-land.net/diary/331432
今回,改めて読み返してみて自分が勘違いしている部分があることに気がついた。
それが箇条書きにしていく部分である。
1年前の実践では,①②③…と箇条書きをさせていた。
しかし,赤橋は「-(ダッシュ)」を使っている。
この2つは大きく異なる。
例えば,タイトルを次のようにしたとする。
─────────────────────
今日一番がんばったことは何ですか。
─────────────────────
もしもナンバリングしているとしたら次のように答えるはずだ。
─────────────────────
①枝を切ること。
②自分一人でやったこと。
③友達の所も手伝ったこと。
─────────────────────
ナンバリングすると,自然と同列のものを3つ並べたくなるのだ。
これを文章にすると「1つ目は…。2つ目は…。」という形になる。
一方,「-」だとどうなるだろうか。
今度は自由度が増すので次のようにも書ける。
─────────────────────
- 太い柄だがあってそれを切ることです。
- チクチクする杉の木をよけながら
ギコギコ切るのをがんばった。
─────────────────────
行と行の間に「つなげる言葉」が存在する。
「なぜなら」「例えば」「具体的に言うと」などである。
子どもたちには「-」はなじみが薄い。
だから「○」を書いてから書くように指示した。
<3>
以上のようなことを,ジャンボホワイトTOSSノートに例示として書いた。
書き方を教えた後は,タイトルづくりである。
子どもたちに考えさせ,板書させた。
タイトルの見本がずらっと並んだことになる。
これだけタイトルがあれば,書き始めることも楽になる。
TOSSメモ1枚に1タイトル,答えを3つ以上書くように言った。
1枚にかける時間は「2分」とした。
赤羽氏は「1分」としているが,小学生の書くスピード,全員が書けることを考えてこのように設定した。
慣れてくれば1分に近づけていけそうである。
4枚書いた時点で次のように言った。
「自分が作文に書きたいと思う順に1,2…と番号を振ってごらん。」
そう言ってジャンボホワイトTOSSノートに赤ペンで書き込んだ。
「書いたものを全部使う必要はありません。
使わないTOSSメモがあってもかまいません。
一部だけ使うこともかまいません。」
赤ペンで枠囲みも作って見せた。
この中の素材を使うという意味である。
情報を取捨選択することも大切な学習だ。
これで作文を書くための「①思い出す」「②選ぶ」「③順番を決める。」まで完了したことになる。
あとは作文用紙に向かって書くだけである。
この方法で,冒頭に紹介したように,作文が苦手な子でも原稿用紙1枚を書き切ることができた。
さらに他の学年,教室でも使えるようにスクールポスターを作成した。
島根県 O先生