自動車工場見学から帰ってきた。
学校で1時間、見学したことをまとめさせた。
具体的には
「自動車ができるまでどのような工程があるのですか。
それぞれをTOSSメモでまとめなさい。」
と指示をした。
プレス工場や塗装工場などそれぞれを
1枚のメモに書かせていったわけである。
それをノートに貼ってルートマップを書かせた。
1時間では足りなかったので家に帰ってそれぞれ書かせた。
翌日の朝の会でノートをチェックした。(写真1)
ルートマップは何度もやっているので随分と慣れてきていた。
メモさえできればあとは順番に貼り替えていけばいいので
簡単にできる。
しかし、このルートマップはこれだけでは終わらない。
例えば、自動車は出来上がったら海外に輸出される。
また原料のこともある。
例えばタイヤは原料はゴムであり、どこの国からから
送られてきているわけである。
プラステックもそうである。
一台の自動車を作るということは
数多くの素材を総合して作るわけだから
当然、様々な国から様々なものが
集まっているということである。
それらをすべて書き出してつなげていくと
巨大なルートマップが出来上がる。
ただし、こうなるとノートには入りきれなくなる。
そこでジャンボホワイトTOSSノートの出番となる。
一班につき一枚を使わせた。(写真2・3)
そこに入りきれなかったメモを貼らせて矢印で結ばせていった。
地図帳・朝日年鑑などありとあらゆる資料を使って
「できるだけたくさんのメモをつなげなさい。」
と指示をした。
ジャンホワイトTOSSノートを使うと何がよいか。
以下のことにまとめられる。
①小グループで話し合いながら作業を進めることができる。
②矢印や考えたことなど自由に書き込みをすることができる。
修正もとても簡単である。
③TOSSノートにはったメモをそのまま使える。
ジャンボホワイトTOSSノートに話し合いが終わったら、
それぞれのメモは各自のノートに帰っていく。
ジャンボホワイトTOSSノート→集団思考
TOSSノート→個人思考
TOSSメモはそこを往復する
ワーキングメモリである。
これはまさに再現する活動である。
再現するとは昭和56年度の調布大塚小学校の校内研究で,
この言葉が使われる。
再現するとは何か?それは,ある方向の情報を選択し,もう一度示すことである。見学する,観察するとは情報を蓄積することであり,調査するとはある方向の情報を見つけることなのである。
つまり,雑多な情報に何らかのフィルターをかけ,並び替えたり精選された情報のみを得させたりするための活動である。
フィルターとは,例えばカテゴリー分けであったり,討論であったりする。そこで,問題提起があり,なにがしかの再調査があるのである。
大切なことは,情報のインプットとアウトプットの仕方である。
できるだけ多くの情報をインプットし,それに必要な情報のみ選択したり検討したりしてより正しく妥当性のあるものとアウトプットすることである。
その過程において自分の得た情報をもう一度再現させてみるのである。
今回は「流通」という視点で並び替えをさせたわけである。
産業とは、原料の加工から製品の輸出まで世界規模で行われている。
それを一つの事例として自動車産業を扱うわけである。
一つの大きなるルートマップを作るという作業を通して、子どもたちはグローバルにつながる産業構造を理解することができるのではないかと考えた。
福岡県 A先生